ソラとクローバー☆もうひとつの『アルタイル』
5th.story

翌日・・・


ブーブーブー・・・


鳴り響いた携帯の着信音に、ディスプレイを見ると、高校にいるタイチからだった。


「凱も汐ちゃんも大丈夫だったぞ。・・・・教頭がちらっと言ってたんだけど・・・お前のお父さんから話があったって、さすが栗原財閥の力、ってやつか・・・・」


「あぁ・・・・うん」


「・・・修也・・・お前・・・・」


「ん?」


「お前の方は大丈夫、なのか?」



心配げなタイチの声に、俺はハハハ、と笑ってみせて、電話を切った。



電話を閉じ、ソファに深く腰をおろすと、思わず大きなため息が出た。


汐・・・大丈夫だったんだ・・・・・・よかった・・・。


それだけで、もういいんだ。


昨日の晩・・・父さんに下げたくなかった頭を下げたとしても。


それとひきかえに・・・・数日後に、いわゆる政略結婚のための見合いをすることを了承させられたということも。


それは、それでいいんだ。





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