俺様甘甘王子様




 
 離れたくない。


 私がこう言ったら…先輩はなんて答える?



 たぶん…。

 別れようって言うだろう。


 
 だからさ。

 だから…私から離れる。



 先輩の悲しむ顔、見たくないから。




 『愛紗美チャン!!!』



 後ろから、大声で呼ばれる。

 それは、愛しい彼の声。



 あたしは、ゆっくりと振り向いた。



 『ありがと…』



 最後の最後に、見せつけられた笑顔は…

 本当の笑顔って思った。



 




 
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