湘南銘菓 鳩サブレ    一枚目
「わかった。急ぐなら、羽田で京急に 
  乗っていけばいい、、、」
 私の口調は やはり冷たかったに違いない。
この時点で 別れを決めている。
私と栄子は やはり だめなんだ。
今 天へ昇ろうとする母が
彼女を 拒絶したのであろう。

いや、私が そう思い込むことを決めたのだ。

「だって、一日で帰るわけには いかないでしょ!」

「、、、、、、」

「ちゃんと 札幌には行くから。
 父の事 片付いたら、 
 必ず 向うから。。。」
彼女の 口調は 取り乱しもしない。
私の短気は 今に始まったことじゃない。
私の悪いところも 充分 理解している。

それでも 続けて来られたのは
やはり お金のためだ。

もちろん、彼女は 素振りなど見せない。
結婚したら、彼女を守るために何でもするだろう。
だから、出会ってからの 彼女への投資は
順番が違うだけなのだ。
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