halfway <短>
Before love



穏やかに揺れる陽射しの下で

君の笑顔に恋を知った



零れ落ちた恋の破片を拾い集めて

重ねて、繋げていったら

いつしか愛に変わっていた




愛しさとか

切なさとか


そんな取り止めもないものに似た気持ちが

心の奥に降り積もってしまったら


君と向き合うことが

君に触れることが


不思議と怖くなっていた




手の届かない距離で、決して振り向かない君の背中だけを

ずっと見つめていたら


私の前を、肌寒いすきま風が通り抜けていった



一瞬一瞬を刻みたくて、掴み取ろうと手を伸ばした時

この心を突き抜けていくのが見えて


刹那の意味を覚えた




君の笑顔に

君の背中に


君を……

君だけを見つめ続けた時間に


いつのまにか日々に染み付いた

愛しさを噛み締めた




そして、祈り続ける意思は

ただただ無力だということを思い知る


たとえそれが

どんなに強固なものだとしても



それでも

ただただそうすることでしか


愛に触れることはできない

愛には届かないということも――

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