【長編】Milk Tea



佑騎 Side



美麗が誘拐されてそれを聞いた尚さんの姿を見て。



美麗の元に行った時の美麗の尚さんを見る表情を見て。



おれは敵わないって分かった。



おれが勝負を挑んだ人は雲の上の存在で手が届かない。



おれが好きになった人はその人に心奪われておれなんか入る隙もなかった。



自分はもう人を守れる位強いんだって。



好きな奴を守り抜く事ができるんだって。



尚さんを越えられるんだって。



思い込んでいた。



でも……おれは思っていたより、子供で。



思っていたより無力だった。



好きな女を自分の無力のせいで、誘拐されてしまった。



大事にしてる女が誘拐されたのに。



勝手にライバル視されてた男の無力のせいなのに。



あんたはおれを責める事はしなかった。










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