【長編】Milk Tea



ピンポーン。



!!



インターホンが鳴る。



尚かな。尚だよね!?



あたしは速まる心臓を必死で沈めようとしながら玄関に駆け寄る。



「はーい」



ってドアを開けると無表情で、



「確認しろって言ってるだろ」



……って不機嫌な尚の声は耳に入らない。



だって……。



私服目茶苦茶格好いい。



尚って落ち着いた格好するんだな。



深緑のチェックのYシャツを第3ボタンまで開けて、胸元でコイン型のネックレスが光る。



緩く巻かれた薄ピンクのネクタイ。



その上に黒のパーカーを羽織って、細身の濃いジーンズ。



赤のスニーカーを履いている。



ミルクティー色の髪は、いつもよりワックスで流れていて、普段と違っておでこを出している。



やばい……格好いい。



ボーっと見惚れていると、尚はフッと笑った。




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