ラベンダー
私が会いたいのは、高校と併設された大学の生徒。

毎日、面白いほど同じルートを通るから私も習慣になって彼の姿を目で追ってしまう。

間違いなければ、そろそろ大学の門にいるはず

然り気無く目を外に動かすと、いた。


[森宮 卿]

華族の末裔ですか?と聞きたくなるようなお洒落な名前。
大学生なのにダッフルコートが似合って、今日は寝坊したのか小走りだった。


汗かいたら着替えないと風邪引くよ。


心の中で、心配してみる


「・・・藤原」
「をぁ?」
「何で私の肩を抱く?気持ち悪いぞ」

私の隣にいるのは中学時代から腐れ縁の藤原。
セクハラ発言が多く感じるのは、多感な男子高校生だからと信じたい。


「眠気覚ましなら、お付き合いしますよ?」

「もう、目は覚めた」
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