昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
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あの晩。


風間はウチまで送ってくれて、ウチが泣き止むまで一緒におってくれた。

…っていうか、なんか知らんうちに二人とも床で寝てもてて、起きたら朝やってんけど。

泣きすぎて頭痛くて、なんかもう昨日の記憶があやふやや。


「優子が寝てもてな、そんでちょっとだけ思て俺も寝ころんだらそのまま熟睡やった。ごめんな」


…とかゆうて風間は早朝、すぐに帰った。

風間の目の下は黒くなっとって。熟睡とか絶対ウソやん…。


コーヒーもなんもごちそうしてやれずやった。

ごめんな。風間。






なんか、すっごい正直な疑問なんやけど。

なんでウチなんか好きんなってくれたんやろ…。風間、けっこーモテるくせに。






その遊園地の日から一週間もせんうちに大学はまた始まって。

気がついたらもう、三年生や。

過ぎるんは早かったけど、こんなに内容の濃い休みは初めてやったかもしれん。


…かっちゃんには、会ってない。


アパートの電気が夜になってもずっと消えとるから、どっか遊び歩いとんやろ。

おらんのやって思うたびに、ちょっとホッとしとる自分がおったりする。


風間とは前から学校でも一緒やったし、今やって一緒に授業受けたり食堂行ったりしとるし、付き合ったからって急になんか変わったわけやない。

付き合ったからって……


そうや。


ウチと風間は、今付き合っとる。


だいたい、世間一般のお付き合いってどんなもんなんやろ。…経験ないからわからへんねん。


あ、変わってないってゆうたけど、いっこだけ変わったとこ。


…お互いの家に、よく行くようになった。


そんで今。


「爽健美茶と烏龍茶と生茶、どれがええ?コーヒーもあるけど」

「…なんでお茶だけでそんな種類あるん」

「いや…この前うちで飲み会でなぁ、その残り」


…ウチは風間んちに、おったりする。


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