昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜


わしゃわしゃされすぎて、ウチの頭はボサボサ。

多分きっと、サイヤ人みたいになってる。


「そ…んなわけ、ない…やん」

「…じゃあなんでそんな顔してんの」

「ちゃうよ」

「ウソつけ」

「好きちゃうっ!!」

「…優子」

「ちゃうもん!!あんなヤツ……っ、」


最低で自己中な女っタラシ、しかもウチとかっちゃんは、イトコなんやから。


ずっとずっと、ちっさい頃から一緒におった、イトコなんやから。


「好きちゃうよ…」


かっちゃんなんて、これっぽっちも、


「…じゃあなんで泣いてんねん」


風間は顔をくしゃって歪めて笑って、ウチの目元を拭った。

ほっぺたにヒヤリ、風間の冷たい指が当たる。


「…好きなんやろ」

「………」

「そんな泣くくらい、好きなんやろ」

「………っ、」

「…アホやなぁ、優子」








「うん……、好き、や…っ、」





あ。

ああ、そっか。あーあ。


…なーんや。



ウチ、かっちゃんが、好きなんや。



そう言ってしまったら、体の力がドッと抜けた。


ずっと奥底に埋めてたもんが、一気に噴出されたみたいな脱力感。


風間はもっかい「ホンマアホやなぁ」って笑って、ウチの頭を撫でた。



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