昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
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「さくらちゃん見かけによらんと結構いける口やなぁ!!」

「んー、せやねん!顔はな、赤くなるねんけどな〜?意識とかは全然フツウやねんよ〜」


手に持っとる缶チューハイを喉に流し込む。

でもそれは流れるというよりほんの数滴しか残ってなくて、空になった缶をグシャっと縮めた。


頭がちょっとフワフワする。お酒はこの前の合コンで懲りたはずなんやけど、飲まずにはやってられへん。


…まず、いっこツッコませてください。



「何でやねん…」



なんでこんなことなってんねん。


聞こえんくらいの小ささで呟いた言葉は笑い声の中に消える。


ウチの隣にはどうしたらそんなポンポン言葉出んの、ってくらいしゃべっとる風間。

どっかの司会者か。風間なら才能あると思うけどな。

そして反対、右隣にはえらい可愛らしい女の子。名前はさくらちゃん。

女の子らしいホワホワした雰囲気に、語尾の伸びたしゃべり方。

それからさくらちゃんは。


…つい最近できたてのかっちゃんの彼女さん、や。


そしてそして、ウチの正面には。


「ゆう。俺ビールな」

「はぁ!?」

「無くなったんやろ、チューハイ。新しいの取り行くついでに、俺のビール。」


…俺様至上主義者、かっちゃん。

ドカっと偉そうに床に座り込んで、気持ち悪い笑顔をウチに向けてくる。


マジではっ倒す五秒前、や。(そんな歌あった気がする)お前んちの冷蔵庫なんやし、お前が自分で行けや。


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