黒雪姫！

「はぁーい、じゃあこれから一人
ずつ前に出て自己紹介をして貰い
まぁーす。」



爽やかな美青年が言った。
1年A組の担任、青山奏悟だ。



「えーと、有栖川さんからお願い
しまーす。」

「はい！」



ｶﾞﾀﾝ、と椅子を引いて立ち
上がった女の子はとても小柄で、
150ｾﾝﾁ位に見えた。色素の薄い
ふわふわとした柔らかい髪をﾊｰﾌ
ｱｯﾌﾟにしている。



「有栖川美鶴です！5月9日生れの
牡牛座、O型です！趣味は映画鑑
賞で、特技はﾋﾟｱﾉです！よろしく
お願いしまーす！」



「広瀬和俊です。4月25日生れの
牡牛座、O型で、趣味は読書と映
画鑑賞。特技は家事全般です。
よろしくお願いします。」



誰一人とて、ｸﾗｽﾒｲﾄの自己紹介を
聞いていなかっただろう。



「はい、じゃあ最後は雪野さん。
お願いしまぁーす。」



「はい。」



教室の中に居た全員が、特に男子
が、待ってましたと言わんばかり
にその美少女へ視線を向けた。