ヤクザと執事と私 【1の残り】

「・・・・しょうがないなぁ~。それじゃ、公平にジャンケンで見回り順番決めよう。」


「・・・アッシは別に何でもいいですけどね。弱い人がいますし・・・。」


「・・・うわぁ、ポチさん、性格悪~い。・・・そういうところが、・・・理由なんじゃないの?」


「何ですか、小夜兄さん?理由って!何の理由なんですか!」


私とポチがにらみ合う。


「はぁ~・・・もう、いいだろ?さっさと決めようぜ。」


少し眠たそうなサブが、私とポチの間に入る。


「それじゃ、いくぞ!はじめは、グー、ジャンケンポン!」


サブがチョキ、私もチョキ、そしてポチがパーだった。


「・・・ア、アッシは、何故パーを・・・」


ポチは、自ら出したパーを見ながら、悔しそうにうめく。


「はい。そういうわけで、見回りよろしく。」


「頑張ってくださいね、ポチさん。」


私とサブは、悔しがるポチに最高の笑顔を向ける。


「クッ!・・・仕方ありませんね・・・ヤクザの世界で勝負は絶対です。不肖、ポチ、見回りに行かせていただきます。」


ポチは、見回りに出て行った。


「・・・隣の病室に行くだけなのに大げさな・・・」


「それよりも、自分のこと・・・ポチって言ってましたよ。・・・意外と気に入ってるんですね、ポチってあだな。」


「・・・まぁ~・・・普通のいい歳した大人が自分のこと好き好んでポチとは言わないよな。」


「ですよね・・・」


私とサブは、出て行くポチを哀れむ目で見送った。



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