純情BABY
「いきなり呼び止めてごめんね。
あの、私のカレシになってください!!!」




初めましてと名乗りもしなければ、“好き”とかも言わないぶっ飛んだ告白に、渋谷くんの切れ長な目が真ん丸になった。




そんな表情でも格好良さは損なわれないからイケメンなんだな。

なんて変なところに感心していると、渋谷くんが困ったような顔をし始める。




その表情を見て今更ながら無謀な事をしたかもって思い始めた。




顔を合わせたこともなければ、もちろん話すのも初めての相手に、いきなり告られても困るよね。




でも、もう告っちゃったし後には退けないもん。




「私6組の益田美鈴っていうの。

渋谷くんとぜひ仲良くしたくて!」




必死にそう言うと渋谷くんはにっこりと笑った。





『うん。いいよ』





嘘っ!!




今、“いいよ”って言ってくれたよね?

聞き間違いじゃないよね?
OKって事だよね?





「ありがとうっ!!じゃあ、早速だけど一緒に帰ろうよ!」




嬉しくてはしゃいでる私に渋谷くんはクスッと笑って頷いてくれた。




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