純情BABY




『またフラれたんだ。

それはご愁傷サマ』




自分の教室に戻って、親友の亜弥に泣きついたら、驚きもせずに事務的に言ってきた。




「“また”とか言わないでよ〜。それと親友が失恋して泣いてるんだから慰めの言葉とか言ってよ」




グシグシ鼻を鳴らしながら言うと呆れた顔をされた。



『ここ2ヶ月で彼氏が3人も変わってたら、かける言葉もネタギレだってば』




うぅっ!い、痛いところをつかれた。




で、でもっ!!!




「全部向こうから告って来たから付き合ったんだもんっ」




『そうそう。それで、みんな2週間もたたないうちに美鈴をフったんだよね?』




「蒸し返さなくったっていいじゃんかぁ」




机に突っ伏してさめざめと泣くと、今度は私に聞こえる大きさでため息をついた。




『…で、別れの理由は?

今回も同じな訳?』




「……今回は聞いてないけど多分一緒だと思う。

新カノの首にちゅーマーク付いてたもん」




夏樹も、その前のカレシの昇もその前の前のカレシの徹也もみんな一緒だ。




みんな




私がHを拒むから別れるって言ってくるんだ。



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