純情BABY
『今は違う。きちんと向き合いたいと思ってる』




「渋谷…」




一言一句聞き逃さないようになのか、沢山生徒がいるのに、辺りはシン、と静まり返っていた。




その中で真剣な表情でハッキリと言った渋谷を見てバカみたいに胸が高鳴った。




『だから、今後コイツに対してのイヤガラセは許さない。

陰口は付き合ってる俺も悪くいってるとみなす。

……その時は容赦しないから。覚えとけよ?』





辺りを冷たい視線で一瞥しながら言い放った直後、朝のHRが近いという予鈴の鐘が鳴った。





それを聞き、渋谷はニコリと笑う。



ーー優等生の仮面を被った笑顔で。




『…予鈴が鳴ったね。話も済んだことだし、教室に行かなきゃみんな揃って遅刻だよ?』





つい数秒までとはうって変わった渋谷の態度と表情。



そのギャップに私を含め、その場にいる全員が身震いしたことに、渋谷は気がついているのかな。




……きっと、ううん絶対、気が付いてるんだろうな。





渋谷ってかなり腹黒い。




それを認識した瞬間だった。





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