キミは聞こえる

 ぼーっとしているうちにゴールが決まったのか、と思ったが接触でファウルになったらしい。

 そのときだった。

(―――………あ)

 桐野がこちらを見た。
 視線が交差する。

 交差したと思った。
 距離があって、よくわからない。

「―――もうすぐ試合だもんね。地区大会」
「ああ、そうなんだ」

 佳乃に話しかけられ後ろを振り向き、ふたたび外を見たときには練習が再開していた。

(気のせいか)

「じゃあ撮るよー。上向いてー」
 
 へいへい。 

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