キミは聞こえる
 どくんと心臓が大きく飛び跳ねた。一瞬、息が止まった。

 私が、コイツと同じ? おなじ?
 まさか、そんな………―――。

≪同じ能力を持って生まれた者同士、仲良くしようよ。俺たちは同類だから、俺たち以外の誰よりも強くわかり合える。俺はそう思う。―――俺、代谷さんとなら、きっと上手くやれる≫

 手を差し伸べるようにおもむろに設楽は手を開いた。
 首をやや傾げて、微笑む。

「ね、代谷さん―――」
「ふっ、ふざけないで!!」

 直後、泉は回れ右をすると一目散にその場を逃げ出した。
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