Strange
別れの為の出会い。
翔が小学校5年の時、仲のよかった友達が翌日転校してしまうと知った。
落ち込む翔の肩をポンッと叩いた祖父は翔の横にドシリと腰掛けた。
「なぁショウタ、何をそんなに悲しんでいるんだ?友達が転校することは確かに悲しいかもしれない。でもな、ずっと一緒にいることもできない。それはじいちゃんだって同じだ。」
「えっ?」
顔を上げて見上げた祖父の顔は優しく翔を見つめていた。
「ショウタよりも必ず先にじいちゃんはあの世に行っちまう。でもな、それは仕方ない事だ。出会いがあれば必ず別れがある。別れはつらいものだけど、別れがつらければつらいほど、その人と過ごした時間が素敵なものだったっていう証拠なんだ。そんな時間をくれた友達に感謝して笑顔で送り出してやらないと。なっ!!」
祖父の言葉に頬を伝う涙をぬぐった翔は力強くうなづいた。
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