trick Or trёat!


昼休みの教室は一段と騒がしい。


その喧騒に紛れ

「なぁ、樹…。」

と上手く回転しない思考で、樹に尋ねる。



「ん?」

何?と首を傾げた樹へ、俺は縋りつくように立ち上がった。


言葉を発する前に、自分の唇が震えているのがわかる。



「俺…、トラックに轢かれたよな?」

「………はぁ?」

「ほら、放課後!一緒に帰ってたじゃねーか!」


突然声を荒げた俺に、樹は物おじひとつしない。多分、こんなのは慣れてるんだろう。


だから俺はもう一度確認するように言う。



「校門出てすぐの横断歩道で、俺轢かれたじゃん!」


自分でもバカな事を言ってるのはわかってた。

俺の体は確かにここにあるし、さっきも確認した通りケガもしていない。


でも、納得出来ないのだ。

あの衝撃、体が浮く感覚は夢だなんてとてもじゃないけど思えなかったんだ。



そんな俺に、樹はほとほと困り果てた様子で

「お前、それ寝ぼけてんの?」

そう言いながら笑った。



「寝ぼけてなんかねぇよ!」

「いやいや、マジありえないから。トラックに轢かれてたらお前、ここに居る訳ないだろ?」

「そうだけど…、」





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