その男☆ナルシストにつき!!
復讐劇はしたたかに
莉南さんは向かい合って座ると、城金兄と付き合った時から話を始めた。


マキの言ってた、年上の幼なじみとは莉南さんだった。


年上って言っても、城金兄より2つ下。


七瀬の彼女だったら年上かも。


家が真向かいだったらしく、小さいときから3人は一緒。


近所でも美形で評判の3人だった。


付き合うようになったのは、城金兄がデビューする前。


「遠い存在になっちゃうみたいで淋しい…。」


莉南が泣きそうになりながら言った。


「誰が遠い存在だって?今日から彼女になればいいじゃん。オレも莉南も誰よりも一番近い存在でいられるだろ?」


そ言ってくれる城金兄の気持ちが嬉しくて。


付き合ったはいいけど、中学生でカッコイイこと言っちゃうくらいだから、高校生の時から本性発揮って感じで。


幼なじみとはいっても、成長して人はどう変わるかなんて想像してないし。


寄ってくる女は数知れず。


だけど、全部相手にしなかった。


自分の仕事とかイメージとかあるから。


ただ、例外がひとつ。


地味で目立たないタイプってなると話は別。


地味で目立たないタイプだと、誰に言っても妄想の世界と思われて終わるし。


地味で目立たなくて彼氏や旦那さん持ちなんて、絶対に口を割らないから。


格好の浮気相手。


「信じられないでしょ?」


「はい。」


うなずくしかない。


だって、心当たりがいくつかあるし…。



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