その男☆ナルシストにつき!!
「ところで、今日は旦那さん遅いの?」


キョロキョロと部屋の中を見回した。


「うん。いつもの事なんだけどね。」


「子供と2人で淋しくない?」


「私が結婚できただけで幸せよ。」


「そっか。…マキの結婚の時、大騒ぎだったもんね。」


「そうそう。一般人ってだけ公表してね。本人の仕事に影響あると困るから。」


「あの時は、ネットでも旦那を探せなんて色々と噂が飛び交ったし。仕事量、半端じゃなかった。何日徹夜でネットの前に張り付いてたか。」


「その節は、大変お世話になりました。公私共にね。」


「あたしは別に…。旦那さん社長に何回殴られたって言ってたっけ?」


「5回呼び出し食らって、その度にボコボコにされたから、何回かは覚えてないって。引退説まで流れて、会社の株価が大暴落したし。」


クスッと笑った。


「マキはいいな…。大恋愛で。」


思わずつぶやいてしまった。


一瞬にして、マキの空気がピリッと冷たくなった。


「ねぇ、伊吹は結婚の事…本当は後悔してるんじゃないの?」


さっきの穏やかな顔は、真剣な眼差しに変わった。


「なっ…何言ってんの!?そんなワケないじゃん。」


慌てて訂正した。


「本当に?」


そんな悲しそうな顔しないでよ。





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