その男☆ナルシストにつき!!
あのコとキャンダル
「宮元!!!」


朝っぱらから黒崎がものすごい剣幕でネット部にやってきた。


「なに!?朝からうるさいな。」


「うるさいじゃない!!!一体どういう事なんだ!?」


「何の話?」


さっぱり分からない。


「いいから来い。」


グイグイと強く腕を引っ張ると、会議室に連れて行かれた。


「ちょっと、忙しいんですけど。」


腕を組みながら、チラッと黒崎を見た。


バンッ!!


机の上に叩きつけられた発売前の週刊誌の記事。


「お前、城金翔龍と何したんだよ!?」


「なにって…。」


テーブルの上に置かれた記事を手に取った。


そこには、一面デカデカと3日前の遊園地で遊ぶあたし達の姿が映ってた。


「不倫デートってなんだよ。」


黒崎の怒りは頂点に達してる。


「これは…。」


「言い訳無用!!」


「…ごめんなさい。」


謝るしかない。


まさか、スクープされるなんて考えてなかったし。


それに、どんな理由であろうと、城金兄と遊園地に行った事実には変わりないし。


あたしは結婚してるんだし、傍(はた)から見れば不倫デートだよね。


記事を握り締めながら、うつむいたまま顔を上げられない。


「事情は翔龍から聞いたよ。」


「えっ?」


パッと顔を上げた。


「当たり前だろ?確認取るからな。だけど、どんな理由だろうと、オマエの行動は軽率すぎなんだよ。翔龍が記者に狙われてるくらい分かるだろ?!オマエはそういう部署なんだから。まして、不倫デートなんて書かれるなんて。」


一言、一言がチクリと胸に刺さる。


黒崎の言う事は、全部が当たってて。


スキャンダル記事に、一番身近なのに。



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