王子様はイジワル転校生!
鏡越しに見るお兄ちゃんは、不安と期待が入り交じった何とも言えない表情をしている。


でも、これでも大分ましになった方だ。



「外、雨降ってるの?」


「いや、降ってない。それより、ルイ…本当にいいのか?」


「いいもなにも、今日が最終日でもう少ししたらラストでしょ?」



只でさえ、このスタジオ内でお兄ちゃんがルイと呼ぶのは珍しい。


いつも愛ちゃんと呼ぶ。


でも、ここ数日ずっとルイのままだ。



お兄ちゃんは私が座ってるイスの後ろに立ち、肩をポンと叩いた。



「今からでも遅くない。止めてもいんだぞ?」



遠回しに言われてはいたけれど、こうしてはっきり言われたのは初めてだった。


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