刹那よりも限り無く
タカシが助けてくれた



タカシはそばにいる


ひょっとしたら…
死んだのは別人で
生きてるのかも
しれない



胸の中に
ざわざわと湧いて出た
思い込みの希望が


私に元気をくれた


病院の味気無い食事も
もりもり食べたし


笑って話して
家族やレイ子を
安心させた


いつか
タカシに会える


そんな思いが私を支えていたけど


タカシの死に顔を
霊安室で確認している私は



心のどこかで

それは夢だったのだと
思うようになっていた


…でも
助けに
来てくれたのなら


もう1度
タカシに


…会いたいよ



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