恋する二人の女の子 ─夢へ続く道─
二人はすくすく教室に向かう途中、自分達で調べた自閉症について思い出していた。




『苦手な音がある子には落ち着けるスペースを作る』
『パニックを防ぐには事前にやることを伝える』





など、習った事や調べた事をお互いに思い出していた。


もちろん、そんな事は意味のないことだとわかっていた。それでも少しでも先生達の役に立ちたかった。



そして、今暴れている自閉症児に対し、どう対応すれば良いか考えていた。


しかし、答えは一つだけだった。



『刺激の無い所で落ち着かせる』


それ以外、思い付かなかった。



教室に入った二人は驚いた。
なんと、唯があの自閉症児をあやしていたのだ。



「唯?」
「あ、やっと来たね。もう待ちくたびれたんだから」




そう言うと白い歯を少しだけ見せた。


「ごめん。ごめん。先生手伝って来ればいいよね?」
「うん。よろしく」





三人は時間が経つのも忘れるほど一生懸命に働いた。

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