一瞬でさえ、大切だから



先輩、先輩。

東京へなんて行かないで。



先輩、先輩。

東京でやりたいことやって。



矛盾する想い。


私がどんなに想っても、君は私の手の届かないところへ飛びだってしまう。



君を追い掛けて。

それでも、追いつけなくて。



君と私を繋ぐモノ。

それは私の望む愛ではなくて。


たった一つ、君と私を繋ぐモノが“先輩と後輩“だけなら




私は後輩を選んだ。


愛を選んで、二度と会えなくなるくらいなら

後輩として、可愛がって欲しかった。




今、私はこうやって先輩と話すことが出来る。


それは、私が愛を選ばず後輩を選んだから得られるもの。



だから、今の私には話しているこの一瞬でさえ、大切で。


先輩、どうか後輩として可愛いがって下さい……。




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