恋するレンズのむこう
このまま帰るのはなんだかつまんないし。


せっかく買ったストラップも渡したくて。


でもそばには駿とか有香の友達がいるからちょっと渡しにくいし。


俺は電車に揺られている有香の所へ行ってそっと耳元で有香の名前を呼ぶ


「うわっ!」


案の定驚きながら頬を染めていく有香。

その反応があまりにも可愛すぎて自然と口が緩んでしまう。


『なあ、これからちょっと2人でどっか行かね?』


「へ?」


俺の誘いに驚いたのか間抜けな返事をした有香。


でもすぐに笑顔を浮かべて「どこ行くの?」と聞いてきた。

うーん。


『内緒』


思いっきり驚かせたいから内緒にしておくことにした。


行き場所は、海。


俺が小さい頃から好きだった場所。

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