メイド in LOVE




「レオン様…今回のことは
どういった
風のふきまわしでしょうか?」


「"どういった"というと?」


「あの娘のことです!」


「娘じゃない、リザだ。
お前と一緒に働くんだ。
名前で呼べ。」


「…申し訳ございません。

では…何故、リザを
お助けになったのでしょう?

あのような事件は
貧困地区では日常茶飯事です。
今まで、見てみぬフリを
なさったこともあったかと
思いますが…何故、今回
リザだけを助けたのでしょう?」




何故、リザだけを。か…



「分からない。」


「は?」


「まぁ、俺の気まぐれだ。
気付いたら助けていた。」


「本当でございますか?
あの美貌にほだされた
わけでは無いのですか?」


「お前も見ていただろう?
リザは車に乗るまでずっと
うつ向いていたんだ。
顔など見ていない。」


「…分かりました。」



これで話は終わるかと思った。

一度着替えようと
シャツのボタンを
外しかけた時だ…





「もぅ一つ、質問があります。」
< 34 / 93 >

この作品をシェア

pagetop