この空の下で


“泣きそうな顔で”?
“心配だった”?

そんな期待させられる言葉
あたし欲しくないよ。



先生の話を聞きながら、
涙が零れるのを
必死で押さえていた。




「いいなぁ、青春してて。あたし何かとっくに終わっちゃったよ…´・ω・`泣」

「…」

「あたしだって、君たちみたいな時期あったのよ?
好きな人ができて、毎日見れるだけで、それだけで幸せだったなあ。」

「、…」

「宮野さん?」



あたしが黙っていると、
先生はあたしの名前を呼んで、また続けた。




「何があっても、
どんなに辛くても、


人を好きになる事には
意味があるのよ。」


「…!」







面食らった。
イキなりそんなドンピシャな事言われるなんて思わなかった。


でもその言葉を聞いて、
心が軽くなった感じがした。



そっか、あたし
颯のこと好きでいても
いいんだ。


そう思うことが出来た。




「……先生、?」

「ん?」

「ありがとうございます。」

「え〜?^^
何がかなぁ〜?」



先生のおどけた返答に、あたしは少し微笑んでベッドを降り、扉の前に立った。




「ぢゃ、失礼します。
お世話になりました、」

「おうっ、
いつでもおいで〜。」






パタンッ





「はぁ〜……
青春、ね。」





保健室を出て数秒後、
先生がそんな事を呟いたなんて、あたしはもちろん知らなかった。


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