EBE-地球外生命体-
そんな僕の背後に、ハワードが歩み寄ってくる。

両手には、カップのコーヒー。

「相変わらず鮮やかなキー捌きだね。君の惑星の人達は、皆そんなもんかい?」

「まさか」

手を止めて、僕はキャスター付きの椅子を回転させた。

「両親は僕の何倍も速く鍵打してたよ」

「恐れ入ったね…」

ハワードが苦笑しながら差し出すカップを、僕は両手で受け取った。

エリア51で世話になる代わりに、僕は時々ハワードの仕事を手伝っている。

お陰で処理速度が大幅にアップしたと彼は喜んでいた。

こういう分野はグレイの得意とする所だ。

僕も気分転換になってよかった。

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