プラネタリウム ―流れ星に願う叶わぬ願い―
「そう…。だから物があまりないのね」
「うん」
「なぁ、音菜。お前はこの家に戻って来る気は全くないのか?」
「うん。そんなに広くはないけど、一人じゃ、大きいし」
「もしも、僕らが戻って来ると言っても?」
「うん。私はおじさん達の家族の一員だってことはわかってるし、家族なら一緒に過ごすべきなんだって勇二の家で理解した。だけど…私にとってこれから先、一緒に居たいって思えるのは勇二やその家族なの」
「そうか…」
「良かった……。音菜が一人じゃなくて…」
「そうだな…」









ずっと黙っていた。
ずっと騙していた。









隠すつもりも騙すつもりもなかったけど、おじさん達が残してくれた家や用意してくれた家財道具といったものがあるから言えなかった。
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