happyマジック
「まあ、気になるよ」
「そっかそっかぁ。苗ちゃんのこと好きか教えてくれたら教えてあげる」
「じゃあいい」
「えー」
それなら紗苗に聞いた方が早い。
そんなリスク負ってまで言う必要はないな。
今日の帰りにでも聞くか。
隣の夢は不満そうに机に伏せてほっぺを膨らましているが、堀とやらのことが気になって構う気力もなかった。
最近は、たまに紗苗と2人で帰る。
どうせ帰ったら紗苗か俺らの家に来るし、聡平は部活で遅くなるから2人で待ち合わせて一緒に帰るからのだ。
それで周りに冷やかされることもあるが、紗苗はそういうことに疎くて気にしないし、俺はむしろ虫除けができて好都合だ。
紗苗が俺を意識していないからという点は悲しいが。