この手で紡ぐ神の欠片
「尋ねて良いかな?」
カラスは答えない。
私はそれを否定とは受けとらずに言った。
「朝、変なの見たんだ。のっぺりしてて、何もない細長くて――…」
気持ち悪い、“それ”。
思い出しただけで鳥肌がたった。
「見たことない。あんなの」
私は嫌な顔をした。
「あれはサ」
カラスが答えた。
「逃げ出した中途半端な肉体と魂サ」
私は聞く。
「ギリシャ神話の地獄の番犬、ケルべロスが呼び出されたサ」
「呼び出された?」
私は聞き直す。
カラスが頭を縦に振った。