この手で紡ぐ神の欠片
*
詠人が送るよ、と
気を遣ってくれたが
私はそれを丁寧に断った。
公園で別れたときには、
既に辺りは薄暗くなっていた。
相変わらずザワザワと
色んな雑音(こえ)が
耳に届いて、
考え事をする頭には
奇妙なBGMとして届いた。
「ただいまー」
私は帰宅するなり自室へ入った。
「ふぅ」
そんな声をわざわざ出して
私はパタンと扉を閉める。
ダークブルーのブレザーを脱ぎ
ネクタイを解いた。
髪をポニーテールに結うと
私はカバンから白い本を出した。