小さな約束
「久しぶりだな。芽依。元気か??」
「もちろん!!竜太も元気そうじゃん」
「あぁ」
長い髪を揺らし、大人びた雰囲気を持つ芽依は、俺が持っているひまわりに気づいた。
「あっ!かわいい!!」
「やろうか??」
ひまわりのような笑顔を見せる芽依ならあげてもいい気がした。
「えーいいよ。
竜太は違う人にあげるつもりなんでしょ。
あっもうこんな時間!!
竜太!早く行かなきゃ終わっちゃうよ!!」
芽依は時計を見て慌てて叫んだ。
「ほら!そこの入り口から入って右側の階段昇って!!着くから!!早く!!」
芽依の剣幕にびびりながら、俺は入り口めがけて走り出した。
芽依のやさしさに感謝し、後ろ手に手を上げる。
芽依が後ろで大きく手を振っているのを感じた。