小さな約束


光流はニカッと笑って、また上を指差さした。




「ねぇ、上見て」




「はぁ??」




俺もつられて上を見る。




「うわぁ…」




幼稚園児が塗ったような大きな大きな夜空。




神様が間違えて落としてしまったように散らばる星達。




一つ一つが輝いて、ぐちゃぐちゃに夜空を彩っていく。




「すげぇ…」




「ね、きれいでしょ?」




そう言って光流は静かに笑った。




「あぁ…きれいだ…」




「あ!笑った!!」




「あ??」




「竜太が笑った〜。
竜太笑った方がいいよ!なんかかっこいい!!」




「は?何だよ、いきなり…」




俺は気づかないうちに笑っていたらしい。


なんか負けたようでやだ。
< 26 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop