委員長のヒ・ミ・ツ
歩く校則オンナ
「えーこの前やった、抜き打ちテストを返す。」

先生が前で一人ひとりに声をかけながら、テスト用紙を返している。

「うわー。最悪」

「やった！思ったよりいい♪」

返却された答案用紙を見て、おのおの感想をいいながら、友人同士と見せ合いっこしたり騒いだりしている。


「次。片瀬」


そう、名前を呼ばれた少女は、「はい」と答えると、答案を受け取るため、席を立つ。

すると、今まで騒いでいた生徒たちは騒ぐのをやめ、彼女に視線を移す。

そんな、周囲の視線を背中で浴びている「片瀬」と呼ばれた少女は、自分が注目されていることに、特に気にしないようで、平然を教師の前に立った。

「さすがだな。今回も、お前がトップだ。」


教師は、そう言い、少女に答案を返す。

トップと言われたにもかかわらず、彼女はニコリともしないで「どうも」と一言だけ言って、自分の席に戻っていった。

彼女にとっては、自分がトップであろうと、なかろうと、どうでもいいといった感じだ。




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表紙・目次

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