あたしの秘密
「憧れの人の、役に立てることかな。見た目は同じなのに何をやっても敵わなくて、助けてもらってばかりで……。ずっとずっと憧れてた。その人の役に立ちたかった。支えたかった。…やっと、その人の背中を押せるんです。今とてもドキドキしてて、嬉しいです」
亜耶香の言葉は、ゆっくりと、でもしっかりと観客を捉えながら紡ぎ出された。
見るもの全てを引き込んで逃がさないこの空気。
会場は静まり返り、誰もが亜耶香に心を奪われた。
もちろん司会者もライバルである彼女たちでさえも。
あのね、あたしは…亜耶香に憧れてるよ?
亜耶香がいっつもあたしを支えてくれるんだよ?
こういう子だから、みんなに好かれるんだろうな。
敵わないのは、あたしの方だよ。