◇ちゃんは悪魔の子◆実話
第一章始まりの始まり
ちゃんは決して天の邪鬼な性格ではない。

しかし、ちゃんにとって綺麗なものは醜い。
正義は悪に等しい。

いい者ぶった偽善者より
よっぽど罪悪人の方が
綺麗に見える。

こんな私は
汚れているのだろうか。

始めてちゃんが
腕を切ったのは小学4年生の時だった。

心細く、
か弱く流れる赤い血を
美しいと思ったのはたった10歳の他でもない私だった



私は何不自由なく
愛されて育った。

毎日とっかえひっかえ、
ちゃんはまるでママのお人形さんみたいだったの

綺麗な服、綺麗な靴、綺麗なバック。

綺麗なものに囲まれて、まるで私はお姫様だった。

いいえ、
そう思いこんでいた


何をどこで間違えたのか




今のちゃんは
現実がただただ怖くて
背けたいだけ。


そして私はまだまだ
お姫様ぶっている


誰かが幸せを運んできてくれると信じている。

矛盾してるかしら?


厳しい現実をつきつけられても、まだ夢を見てる。


優しい世の中ではないって知りつつも、
誰か優しい王子様みたいな人が私を地の果てから救い出してくれるって信じてる



希望


とでもいっておこうかしら

現実に
踏みつけられ続けても


まだ夢を見ているの


ノックノック
誰か誰かいますか?




傷つきすぎた泥んこなお姫様は、もう無傷な純情な本物にはなれない。


傷だらけの汚い体を隠すために懸命にばんそこをはって無垢な仮面をまとって生きるしかできない。

フェイクなお姫様。


見破ることができたら
拍手をあげましょう



価値としては、ゴキブリ以下なのよ。


地面を這いずり回っても


それでも、ちゃんは
バカみたいに
お姫様に憧れる



どうぞ笑ってください
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