COLORS【黄】Yellow Card 学園★注意報
「カンナちゃん、ずっとトモダチだからね」

「うん、トモダチ」

「ボク、ずっとずっとカンナちゃんのことワスレナイから」

「アタシもヒカルくんのことワスレナイよ」

カミサマのいじわる。どうしてダイスキなヒカルくんをヒッコシさせちゃうの?

「カンナちゃん、ちょっとウシロむいててね」

ヒカルくんに言われウシロをむくと、ぎこちなく、それでいて優しく髪の上で何かをしている。

「なにしているの?」

「フフッ☆ おまじない。じゃ、げんきでね」

「うん。……ねぇ、ヒカルくんゼッタイにアタシのとこにモドッテきてね」

「うん。ゼッタイ。」

子供同士の小さな約束に縛られているわけではないけれど、その時にもらったリボンだから、ずっと肌身離さず付けてきたの。

だって、いつ戻ってくるかわからないし、万が一急に戻ってきた時にリボンを外していたら私の事解らないんじゃないかってね?

なんて、私の独りよがり。もう時効かな?

でも、信じていたいの。私の初恋……だからかな?

同じ団地に住んでいた同い年の男の子。いつも、私を守ってくれていたけど、彼が引っ越してから私を守ってくれる人がいなくなってしまったの。

だから、自分の身は自分で守るようになったってわけ。

ヒカルくんの事思い出したら、なんだか切なくなってきちゃった。

そうだよね、友達だよね?

急に涙ぐんだ私を覗きこむようにする杏ちゃん

「辛いよね、大切な宝物が捨てられちゃっていたんだものね?」

杏ちゃん、違うの、そんな事どうでもいいの。いや、良くはないけど手元に戻ってきたからそれでいいかなと。

だけど、目から溢れてくる粒は止まらなくて、口も開けられないでいた。

「私が、甘奈を守るから!!」

どうしよう、杏ちゃん完全に誤解しているよ

「……と……がう……わた……ひーお……の……だ……なの」
(ありがとう、ちがうの私だけのヒーローだった人のこと思い出しただけなの)

涙が邪魔をして、発声が上手く出来ない。

「何言っているか解らないよ、落ち着いてからでいいから」

杏ちゃんの差し出してくれたレモンの香りのするハンカチで涙を拭う。

やっぱりお嬢様の私物は一味ちがうのね?



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