恋、涙 …

想 side nozomi




そして、次の日─



私が学校に行くと、門の前には、無愛想な顔で面倒くさそうに挨拶をする杉田先生がいた。



「…おはよう。」



先生は、昨日のことなんて少しも顔に出さない。



「あ…おはようございます。」



私もなるべく普通に、先生に挨拶を返した。



「希〜!!」



そんな時、後ろから私の名前を呼ぶ声がした。



振り返ると…
そこには悠哉がいた。



「おはよ、希。あっ、杉田も!おっはよ〜♪」



「…………あぁ。」



ん…?



なんとなくだけど、悠哉を見た先生は、嫌そうな顔をしているような気がした。



そんな訳…ないよね?
悠哉は生徒なのに─



まぁ…私もだけど。



「杉田、相変わらずテンション低いな…もっと上げていこうぜ!!」



「…うるさい。」



あ…
やっぱり不機嫌?



「悠哉…いいじゃん。先生には先生なりの気分があるんだって。」



特に先生と悠哉は、全く正反対のタイプだろうし…








< 119 / 293 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop