恋、涙 …



嘘なんて…平気で言う。



間違ってると感じても、俺はやっぱり嘘を付く。



それが…
もう俺の当たり前だ─






「…一真。思うけど、アンタ全然教師に見えないね。」



そう言われ、俺はわざとらしく首を傾げた。



「そうか?」



「自覚あるでしょ…」



確かにな。
自分でも教師は似合わないんじゃないかと思う。



第一、昔の俺はなぜ教師を志す気になったのか?



それを思い出そうとすると、余計な記憶が蘇る。



重たい。
早く…忘れたい。






「一真、もうやめたら?こんなことしてたって…アンタの為にならないよ。」



優しさのつもりか?



「無理だよ…美久、それはお前が一番わかってんじゃねぇの?」



遊び相手の中でも、なぜかこいつとは期間が長い。



気が合うのか…
よくはわからないけど。



「嘘ばっか…わかってるよ。本当はここから抜け出したいんでしょ?」



「どうかな…?」










< 18 / 293 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop