恋、涙 …



俺はずっと『あいつ』の反対方向を進んできた。



辛くて…逃げた。



もう二度と、あの時と同じ痛みを味わいたくない…



だから、女なんて誰でも同じだと思い込んだ。



恋なんて…
絶対にしないと決めた。



いろんな奴に手を出して、軽い男だと言われようが俺は全然気にしない。



本気の恋よりは…
そっちの方が断然楽だ。



そう考えるようになり、俺はますます冷めた人間に変わっていった。



教師なんて…
本当に向いてないな。



俺は弱い人間だ…









なんとなく職員室には戻りたくない気分だった。



俺は進む方向を変え、屋上に続く階段を上がる。



立ち入り禁止だけど…
鍵、持ってるし。



俺は屋上管理係の立場をいいように利用して、たまにここにやって来る。









< 26 / 293 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop