COLORS【黄】パープルA─黄昏の明日へ─
夢と現
 『私ずっと廉君のこと忘れないから』



──、


そう言って彼女は俺に笑いかけてくれた。

忘れかけていた幼い頃の記憶。
黄色いリボンがとてもよく似合っていたっけ。
名前は──確か……、





「廉!廉ってば!」

「……っ」

「もう朝だよ!早く起きなさい!今日も仕事いっぱい入ってるんだから!」

──夢?

「黄色いリボンの少女……か」

「なんか言った?」

「いや、別に」

何故、今頃になってあんな夢を見たんだろうか?
ずっと忘れかけていたのに──。



『麻美ちゃん!』



そうだ!山科麻美(やましなあさみ)。

幼い頃から一緒だった彼女が、小一の時に親の都合で転校してから会ったことは無いけど。

どうしているだろうなぁ。
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