COLORS【黄】パープルA─黄昏の明日へ─
「彼女が何をしたのか知らねぇけど、弱い者いじめを見逃すほど俺もお人好しじゃねぇんでなっ!!」

男の顔面に思いっきり一発叩き込んでやった。
どうだっ!!パープルAを甘くみるなよっ!!

「うわぁぁぁっ!!」

そのまま彼は数十メートル後方に吹っ飛んで気絶してしまった。
見た目は強そうなのに……そうでもなかったな。

「すごい~!!あんた見かけによらず強いんだね」

「まぁな、この程度ならどうってことないさ。それより、どうして追い掛けられていたんだ?」

「あっ……いや、大したことじゃないよ。助けてくれてありがと。えっーと……」

可愛い顔しているのにな。
身なりは着古したジーパンと白いTシャツ、その恰好が勿体ない気もする。
それに……身体にはところどころ無数の傷。
――彼女は一体……。

「俺の名前は『赤城廉』」

「赤城……廉……?もしかして!廉君!!」

「えっ?」
さっきまで警戒して強ばっていた彼女の顔に笑みがこぼれた。


「私よ!!私!!山科麻美!!」


あの夢はこの出来事を予知していたのだろうか……?

彼女とは約二十年ぶりの再会だった――。
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