さよなら、もう一人のわたし (修正前)
第七章 デート
 高校は夏休みに入っていた。

 しかし、高校は補習だらけであまり意味はなかった。夏休みという名前がついているだけで恨めしくなってくる。

 成績は維持しているものの、こう毎日勉強が続くとしんどくなってくる。
 あたしはぼんやりと学校のベンチに座っていた。

 何も考えずにボーっとしておきたいときもある。今がまさにそんな気分だった。

 あたしの前にチケットが差し出された。

 あたしが顔を上げると、そこには千春が立っていた。

 彼女はあたしの隣に座った。

「これあげる」

 語尾にハートマークがついていそうな声だった。

 千春が差し出したチケットを見た。それはどうやら水族館のチケットのようだった。

 それが一枚ある。
< 115 / 577 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop