さよなら、もう一人のわたし (修正前)
第十六章 それから
 「大丈夫?」

 あたしは目の前の弘を見る。

 彼は朦朧とした目をしながら、何度も頷いた。

 あたしは弘の志望校の変更を受けて、学校にいるときは彼に勉強を教えていた。

 放課後はあまりつきあえない分、昼休みに集中することになる。

 弘は勉強を頑張っているようだった。

 志望学科が違うので同じ大学に行ってもあまり意味がない。

 それでも千春と同じ学校に通いたいみたいだった。

「大丈夫。でも、こんなことなら一年から勉強しておけばよかった」

「だよね」

 あたしもそれは否定しない。

 勉強を好きという人は少ないだろうけど、できたらできたで損はしないと思う。

 弘が頑張っているのを見るたび、千春と杉田さんの親しい関係が思い浮かぶ。
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