さよなら、もう一人のわたし (修正前)
第二十九章 夏休み
 大学はもう夏休みに入っていた。その分、千春はここに入り浸りになっていた。

 彼女の父親もたまに顔を見せるようになっていた。

 また仕事を始めることにしたらしい。とりあえず昔のツテを当たっているものの、なかなか上手く行かないらしい。

 生活するためのお金は困らないものの、やはり何かしていないと落ち着かないらしい。

 ある意味贅沢な悩みだとは思う。

 二人は多分今までのわだかまりが解消したのだろう。

 とても仲よく見えた。

 あたしは、胸を撫で下ろしていた。

 あたしの目の前に水の入ったコップが置かれる。

「京香ってモロ顔に出るよね」

 千春はからかうような口調であたしに告げた。


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