さよなら、もう一人のわたし (修正前)
「よかった。心配したんだよ」

 彼女は明るい笑みを浮かべている。

「ごめんね。千春」

「いいよ。でもよかった。康ちゃんもありがとう」

 千春は彼を見て微笑む。

 彼は肩をすくめてどういたしまして、と言った。

「悪いんだけど、別の角度からも撮るから、千春は避けてくれ」

 咳払いをしながら、成宮監督が言う。

「はーい」

 彼女は頬を膨らませると、また少し離れた場所に戻る。

 あたしが彼女を見ると、彼女はピースをしていた。


 彼女はいつもまっすぐだった。彼女のように強く、自分をしっかり持っている姿は美しい。あたしにはそんな千春が誰よりも輝いて見えた。



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