さよなら、もう一人のわたし (修正前)
 でも、尚志さんの処へ行くことができるか分からない。

 辞めて大学に通おうと思っていた。母親は実家に帰るなら、母親の実家に近い大学でもいい。アルバイトをしながらこちらで生活をしてもいい。

 できないわけではないだろう。

 千春は自分の家に住めばいいと言ったが、それはちょっと保留にしておいた。

 しかし、彼女が何度も言ってきたことを見ると意外と本気なのかもしれない。

 断りきらないところがあたしの弱さなのかもしれない。

 それはそれでいいんだと思う。

 人は急に強くなれないから、最初は自分の弱さに目を瞑ることからはじめたらいい。

 きっとそれがいずれ強さになると思うから。

< 533 / 577 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop